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相続人に認知症の方がいる場合、遺言書はどうする?

4 日前
読了時間: 5分

「自分が亡くなった後、相続人の中に認知症の家族がいる」


このような場合、遺言書を作っておいた方がよいのでしょうか。


実際には相続人の判断能力の状況によって、相続手続きの進め方が大きく変わることがあります。


特に大切なのは、「遺言書がある場合」と「遺言書がない場合」では、相続手続きの負担が異なることがあるという点です。


遺言書がないと遺産分割協議が必要になることがあります


例えば、父親が亡くなり相続人が長男と長女の2人だったとします。


長女には認知症があり、自分で重要な法律上の判断をすることが難しい状態だったとします。


遺言書がなければ、原則として遺産をどのように分けるかについて相続人間で話し合う「遺産分割協議」を行うことになります。


しかし、長女が判断能力を欠く状態であれば、長女本人が単独で遺産分割協議をすることはできません。


このような場合には、成年後見制度などを利用して本人を支援することが必要になる場合があります。


家庭裁判所も認知症などによって判断能力が十分でない方について、後見・保佐・補助などの制度を案内しています。


遺言書があれば遺産分割協議を避けられる場合があります


一方、あらかじめ遺言書を作成し、


「自宅は長男に相続させる」

「預貯金は長男と長女にそれぞれ○分の1ずつ相続させる」


など、財産と取得者を具体的に指定しておけば、遺言の対象となった財産について、遺産分割協議をしなくても手続きを進められる場合があります。


これは、相続人の中に判断能力が十分でない方がいる場合には、特に重要なポイントです。


ただし、「認知症の相続人がいるから、とにかくその人には財産を渡さない」という考え方ではありません。


遺言を作成する際には、相続人それぞれの生活状況や財産状況を考えながら、どのような内容にするのが適切なのかを検討する必要があります。


認知症だからといって、必ず成年後見人が必要とは限りません


ここも注意したいところです。


「認知症と診断されている=すべての法律行為ができない」という単純な話ではありません。


認知症の程度や具体的な手続きの内容によって判断が異なります。


そのため、


「認知症だから必ず成年後見人をつけなければならない」


と一律に考えるのではなく、その方が現在どの程度の判断能力を有しているのか、どのような相続手続きが必要なのかを確認することが大切です。


成年後見人自身も相続人の場合には注意が必要


例えば、母親が認知症で成年後見人が長男、そして父親が亡くなり、母親と長男がともに相続人になったケースを考えてみます。


この場合、長男は「母親の成年後見人」

であると同時に「自分自身も相続人」


という立場になります。


このような場合、母親と長男の利益が相反するため、母親の代理人として長男がそのまま遺産分割協議をすることはできません。


家庭裁判所の選任した特別代理人が本人を代理する仕組みがあります。


つまり、遺産分割協議をするためにさらに家庭裁判所での手続きが必要になる場合があります。


だからこそ元気なうちに遺言を考える


このようなケースでは、


「相続が発生してから何とかすればいい」


と考えるよりも、財産を持っている本人が元気なうちに将来の相続について考えておくことが大切です。


例えば、


・自宅を誰に相続させるのか

・預貯金をどのように分けるのか

・認知症の相続人にも財産を残すのか

・遺言執行者を誰にするのか

・相続後に不動産をどうするのか


などを事前に整理しておくことができます。


特に自宅など分けることが難しい財産については、遺言書によって取得者を明確にしておくことが、残された家族の負担を考える上でも重要な検討事項になります。


「認知症の家族がいるから遺言書を作る」だけではありません


大切なのは認知症の相続人がいることだけを理由に遺言書の内容を決めることではありません。


例えば、


「長女には認知症があるから財産はすべて長男へ」


と単純に決めてしまうのではなく、


「長女の生活を将来どのように支えていくのか」

「自宅を誰が管理するのか」

「預貯金をどのように分けるのか」


など、相続後の生活まで考えることが重要です。


また、遺言の内容によっては、相続人の遺留分についても検討が必要になります。


まとめ


相続人の中に認知症の方がいる場合、相続手続きが複雑になることがあります。


特に遺言書がない場合には、遺産分割協議が必要となり、判断能力が十分でない相続人について成年後見等の手続きが必要になる場合があります。


一方、遺言書によって財産の取得者をあらかじめ指定しておけば、遺産分割協議をせずに手続きを進められる場合があります。


だからこそ、


「自分が亡くなった後、家族がどのように相続手続きをすることになるのか」


という視点から、元気なうちに遺言書を検討しておくことが大切です。


なお、成年後見制度や相続手続きには、それぞれ法律上の専門的な判断が必要となる場合があります。


市川市の倉元行政書士事務所では、遺言書作成のご相談に際して、ご家族の状況や財産内容を整理しながら、必要に応じて司法書士・税理士・その他の専門家と連携してサポートしています。


「家族に認知症の人がいるけれど、どのような遺言を考えればよいのか分からない」という段階でも、お気軽にご相談ください。


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